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  • 2015年度運営テーマ みらいへのアイデンティティ

what's new - 今後の事業予定

今後の事業予定 月間アーカイブ

理事長所信

はじめに

  ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず、これは方丈記の冒頭にある有名な一節です。川の水の流れは絶える事なく続いているように見えるが、よく見ればそれは決して同じ水ではなく、移り変わっているという無常観、を表しています。我々のこの組織も同じように言えるのでしょうか。
  2015年は我々の理念の基礎となっているJCI(国際青年会議所)の運動が始まってから100周年を迎えます。青年会議所は、設立趣意書にも記されているとおり、経済の復興や地域への奉仕などの多岐にわたる活動が目的とされてきましたが、100年前や横浜青年会議所の設立当初の60年前とは、置かれている社会や世界の状況が確実に大きく変化してきています。近年、多種多様な目的を持ち活動を行っている社会貢献団体が存在していますが、数多くある団体の中でも、社会に積極的な変革を創り出す団体であり、メンバーに対して意識の変革を行う団体は青年会議所が唯一無二の存在である事は、多くの先輩諸侯の積み重ねてきた歴史的な背景や過去の活動からも明らかです。設立当初の時代より、大きく変わってきた社会や世界の中で、変革を創り出すだけでなく、青年会議所活動が時代の変成に迎合するのではなく、我々の理念を忘れずに共有し活動する事が重要です。そして自らの意思を持って変わり続けながらみらいを見据えた活動が行えるよう、組織としてまたメンバーとしても積極的な変革を遂げ続け、みらいに向けて我々が我々である理由を確立する必要があります。

原点回帰

  今日の社会は、世界的にみても様々な技術的な分野で飛躍的な発展を遂げ、目的を達するために、容易に多くの情報を得る事ができ、多くの選択肢の中からコンテンツを得る事が可能となっています。そのように情報が溢れている中で青年会議所のコンテンツを効果的にそして効率的に発信できる方法を構築する必要があります。そうする事によって多くの情報の中から青年会議所の存在意義を確立する事が可能になり、「青年会議所もある」という認識から「青年会議所しか無い」と言う認識の変化に繋げていけると確信します。また、今の青年会議所活動は、そのような状況下で、大量の情報を収集し整理して対応していく事で精一杯となってしまい、本来目指すべき目的が形骸化してしまう危険性があるのではないかと考えます。その過程の中で、我々の財産でもある長年培われてきた理念やルールを忘れてしまいがちになるのではないかと感じます。我々は本来、青年会議所の理念とルールを遵守し、地域における特性や問題点を考慮し、社会に積極的な変革を創り出す事業を展開していかなければなりません。時代がどのように変化をしようとも、青年会議所の理念は不変であり、利他の精神を以って公を図り、その経験が自身の糧となるよう、青年会議所の理念とルールの両方が、現状からみらいの課題に則しているかを鑑みて遂行していく事が重要だと信じます。そうすれば自ずと「青年会議所活動=社会貢献=自己研鑽」という本来の魅力であり、本質に近づける事ができるのではないでしょうか。さらにそうする事によって、今まで以上にこの青年会議所の運動を市民に対して効果的に発信する事ができると考えます。
  横浜青年会議所は過去、プロ野球球団誘致と横浜スタジアム建設、みなとみらい地区の開発を目的とした赤レンガ倉庫の商業利用、経済効果を目的としたみなとみらい地区におけるF1誘致構想など行政や市民と共に「まちづくり」における大きな動きの一端を担って参りました。青年会議所がこのような大きな事業を行え、理念が継続できているのはシステムとしての運動発信までのプロセスが存在するためであり、その時代に合わせて何が必要か、問題が「何か」を調べ、それを解消、解決する事を目的とし、様々な方法を用いて活動しているからであります。しかし、さらなる高みを目指して活動を毎年行ってきましたが、その一方で長年継続されたシステムは形骸化されやすい点が懸念され、その結果、目的をしっかりと達成できずに終わってしまう事もあります。その事を認識し、さらにみらいに向けてそのシステムを効果的かつ効率的に運用できるように徹底させる必要があります。開港以来海外からの窓口としての役割を担ってきた国際都市・横浜も、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定して以来、従来の動きに加速度が増して様々な動きが出てきており、ウォーターフロント地区の再開発、横浜市庁舎移転後の関内・関外再開発、横浜駅周辺地区整備等の動きが推進され、大きな変成期を迎えている現在、我々は過去にそうしてきたように10年後、20年後のみらいを見据えた、地域の青年経済人として青年会議所が示すべきみらいを市民に示していく必要があると考えます。そうする事によって今後、市民のために活動している私たちの活動の認知度や影響力を向上させる事が可能になります。そのために、組織内における立場の経験やリーダーシップ育成などの青年会議所特有のトレーニングをより一層推進し、管理機能を確立した組織力向上を目指し更なるみらいへの運動につなげるべきであると考えます。

「相互作用」まちづくり

  2011年3月11日、東日本大震災では多くの犠牲を伴い、現在も復興の途中です。私にとっても、忘れる事のでき無い記憶となり、被災者のその推し量れない胸臆の中、全ての日本人の共助の精神また勤勉な国民性に深く感銘を受けました。また、近年の気候変化の影響により日本各地で多くの災害に見舞われています。いつ私たちもそれらの災害に見舞われるか予想も出来ません。これらの教訓をしっかりと減災・防災に対して考え行動する必要があります。それと共にまた、世界のボーダレス化が進み、外のものに容易にアクセスする事が可能になった事で自分たちの住み暮らすまちの魅力や、人と人のつながりを忘れがちになります。普段当たり前にある身近な商店をはじめ個々で発信している地域の資産が薄れていく中で、厳しい立場に立たせられています。自分の住み暮らすまちの重要性、身近なものの大切さを考え、地域のコミュニティーの重要度が高くなっている事を鑑みると、もっとも身近なローカルコミュニティーを復活させ地域に眠る多くの「特色を持つ財産」を発掘、発信する必要があり、その上で人とのつながりや絆について改めて考え行動しなければなりません。自身による自助、公的機関による公助、そして間違いなく世界から称賛を受けている日本人の伝統的思想でもある共助が、私たちのまちに不可欠であり、この「互助慣行」をさらに強化する事で強いまち横浜となるのです。
  本年で横浜開催20回目を迎える日本青年会議所主催のサマーコンファレンス。明るい豊かな未来を目指すべく運動発信の場として、日本開国の端緒となる「日米和親条約」の調印が行われた地であり、近代文明発祥、そして新しい文化を日本全国に発信してきた横浜に機会を頂けた事を誇りに感じると共に、横浜で開催して頂く価値を横浜青年会議所メンバー自身が見つめ直し、理解をより深めていく事が肝要であります。その先人達の遺伝子を引き継いでいる我々横浜青年会議所も、これまで「まちづくり」を通じて横浜のみらいへとつながる運動発信を続けてまいりました。そのような土壌と遺伝子を持つ横浜青年会議所メンバーだからこそ出来るおもてなしの重要性を考え、さらに横浜こそが運動発信にふさわしいまちである事を感じて頂き、これからの運動発信の一端となるよう展開すると同時に、新たな可能性を見出せるサマーコンファレンスとなるよう、横浜で開催させて頂く事に感謝の気持ちをもつだけでなく横浜を発信する場として運営に携わっていきます。

ひとづくり

  小学生に将来の夢を尋ねた時、一人の子どもが「夢が無い」と答えました。私にとって常に夢を追う存在である子ども達は「未来を託すべき人財」であり、まさに我々の宝であります。みらいの横浜を背負い、夢を持ち、リーダーとなる可能性を秘めた子ども達への機会の創出は、我々にとって非常に重要であります。そのような子ども達にみらいへの可能性を、伝え広い世界観の中で自身を確立し行動できるようになる手助けを行う必要があります。また同様に学生や大人に対しても、その子ども達への手本となるような行動力、アイデンティティを持ち合わせた人財となるよう機会を提供して行く必要があります。それは、「ひと」がいなければ「まち」が存在しないように、「子ども」と「大人」もその関係性に近いものがあると考えているからです。「点」ではなく「線」として捉え様々な事業を経験しても世代間がつながって得た知識や経験を相伝できるよう構築していくべきだと考えます。どちらか一方でも成り立たず、お互い欠かせない関係性の中で同時に考え行動しなければなりません。我々はこのように「ひと」と「まち」、「過去」と「未来」を「線」としてつなぎ合わせる事を常に意識しながら、常に誰よりも一歩先の未来を考え、創り出していき、現在(いま)を活動していかねばなりません。つまり、それぞれの関係性の中で世の中が成り立っている事を常に念頭に置きながら、様々な人びととみらいへ、そして横浜からつながる世界を意識しながら事業を展開して参ります。

横浜のシンボル

  横浜青年会議所が生み出し、現在まで広く根付いている「横浜開港祭」は横浜青年会議所が誇る一大継続事業であります。2015年で34回目を迎え、参加のみならず参画して頂いている市民の方々も年々増えており、港に感謝する「市民祭」として市民に浸透してきていると感じます。これからはさらに私たちの考える「横浜開港祭」の今後の可能性と意義、市民にとっての「横浜開港祭」の存在意義というものを、事業を共に創り上げていく中で共有しながら、みらいに向けて進化させていく必要があります。つまり、多くの横浜市民が何かしらの形で関わる事を目指し、まさに横浜が一つになった開催を可能とするための運営方法・組織形態・資金確保を過去から検証し、構築して安定した持続可能な事業にして参ります。そうする事によって、横浜開港祭が横浜市民にとって我がまちを祝う祭りに留まらず、市民と共に行う横浜のまちにとって非常に重要なコンテンツの一つとなり、日本全国、世界各国へ誇りを持って発信できる事業へと昇華すると考えます。

メンバー

  横浜青年会議所にとって最大の財産は300名を超えるメンバーです。
  数は力と考え当初より積極的に会員拡大をして参りました。志を同じくする多くの仲間が集う場所であるためにメンバー一人ひとりが横浜青年会議所の魅力を伝えていく必要があり、そのようなメンバーを育成していかなければなりません。近年の会員拡大運動の成果のおかげで全横浜青年会議所メンバーに拡大の重要性、必要性の考えが根付いています。その事を踏まえ、今まで以上にメンバーが委員会の枠を取り払って(の垣根を越えて)この青年会議所活動の仲間を募る活動を行っていく必要があります。JCの存在自体がまちづくりの団体であると同時に個々を鍛える研鑽の場でもあります。事業一つ一つに参画して経験をする事、また今まで経験しなかった事がらに触れ、今まで聞いた事が無かったような話を聞き、世界各地や日本全国の仲間たちと語り合い、多面的な角度から幅広い情報を知り、それを選別して自分の知識と経験に活用できるようにする青年会議所メンバーとしての研修を受ける事で一人ひとりが地域のリーダーとして立てるようになり、英知と勇気と情熱を兼ね備えたJAYCEEとして立つ事ができます。
  魅力を伝え、青年会議所の活動をより多くの人に知ってもらい志を同じくするメンバーをさらに増やしそのメンバーを育成して行く事が横浜青年会議所として最大の力になると考えます。

組織づくり

  アブラハム マズローと言うアメリカの心理学者は、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と言っています。私自身、入会した動機に社会の中での自身の変革の必要性を感じた事が発端となっております。入会10年目となりますが、地域はもちろんの事、国家、世界においての青年会議所活動を通じて今日まで出会った様々な人々、今日まで経験させていただいた数多くの出来事、これは私自身にとって掛け替えのない貴重な財産となっております。社会の中で役に立てる自分と言う自己実現に至るまでは、まだまだ足りない状況ではありますが、青年会議所という場所が様々な機会を提供して、自身を成長させるために最適な場であるという事は間違いないと確信しております。しかしながら、在籍年数が短い事や、多くの情報を持ってしまうが故に、青年会議所の財産である素晴らしい様々なシステムを効果的に機能させて行く必要があります。国籍・人種・性別・職業・宗教を問わずに集まったメンバーが同じ方向性に向けて進んでいく事を可能とするトレーニングや諸会議運営方法、事業構築における「議案」という一連の流れ。これらは、諸先輩方に残して頂いた貴重な財産であります。それを今一度、しっかりと噛みしめて、自身の体と心に染み込ませる必要があります。メンバー一人ひとりが、自己実現の欲求到達に至る、または近づく事により、我がまち横浜に人財を数多く創出させる事となり、横浜青年会議所という存在が今まで以上に必要不可欠な存在になる事は必然であります。我々の活動はそれを目指し、そのための変革を行う事によって明るい豊かな社会を築き上げ、恒久的世界平和に至る事ができると考えます。

国際社会

  2015年にJCIはその運動をスタートさせて100周年を迎えます。そこで我々は、JCIメンバーとしての活動を再認識し、足元を見直す必要があるのではないでしょうか?青年会議所の活動には「まちづくり」「ひとづくり」を通じて「明るい豊かな社会を築き上げる」とありますが、それは本来のJCIの活動においては目的の一つです。我々の活動が目指すもの、本来の意味では、「恒久的世界平和」を目指すために、それぞれの地域での活動を分担し、それらの結晶が結果として、世界平和につながると確信します。我々が胸につけるバッジはJCIのロゴと国連のマークが描かれています。それは、我々が地域団体の一つと言うのではなく、世界中に志を同じくする仲間のいる国際組織の一員として自覚をもった上で、地域の活動をしなくてはならない象徴です。青年会議所の活動は、設立当時は戦後の復興のため、その後、経済成長や個人の重要性、グローバル化、地域の重要性等の議論が重ねられてきました。その中でグローバル化とは「世界基準に合わせる事」と考える人もおりますが、まずは日本と横浜の特性をよく理解し、自身のアイデンティティを確立した上で、世界に向けて発信していく事ではないでしょうか。自らを知り、確立する為にも、横浜以外の世界や日本を理解する必要があり、積極的に体感し様々な経験を経る事によって、世界の中での自分や横浜が確立されると考えます。これからの時代は、それらの事を踏まえて、さらなるグローバル化を意識し、世界の中、そして日本の中の横浜を創出していく必要があります。現在の世界を見てみると、連結された世界の中でどのように活動して行くかが重要になってきています。その中で青年会議所は、国連とのパートナーシップという強みを生かして国際貢献を行ってきました。そのためにも、横浜で様々な事業を展開していく中で、常に「恒久的世界平和」を意識し、念頭に置きながら活動していき、我々の最終目的を忘れずに、更にその中での自身のアイデンティティを確立していく事により、ゆるぎない結果につなげるべきと考えます。

結びに

  私たちの活動は未来に向かっています。そして河に落ちた水とは異なり過去からの活動をたどる事ができます。我々は何者であり、何をなすべきかを考え過去を見つめなおして未来を見据えて現在を活動していかなければなりません。
  今の横浜は大きな変革期を迎えております。それは同時に未来の形を創り出す時期です。物事を変化させる、動かすという事はより大きなエネルギーが必要となります。それと同時に現状だけを見て未来を動かすのではなく、それが現在に至るまでの過程や起源を見つめ直して動かしていく必要があります。その事をしっかりと考え大事にしながら見つめて行動する必要があります。このタイミングを逸する事なくみらいの明るい横浜をアイディンティを持って創っていくために、改めて過去を見つめてみらいへ繋げていく為に、英知と勇気と情熱を持って、メンバー全員で力を合わせて進み続けましょう。

一般社団法人横浜青年会議所
第64代理事長
稲葉崇浩